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【 月と四季|春 】 4/12(月) - 5/11(水)
神社とは四季を感じる場所であり、和布刈神社では日本人が古来より大切にしてきた四季の循環を
月の満ち欠けに沿った旧暦にともない、五感で感じる事のできる行事を執り行っております。
今季のテーマは、春の季語とされている柳。
柳が日本人のこころに深く分け入ったのは、朝夕の薄明のころ、その内部がことに暗く見える枝垂れの姿に異界、
亜空間を感じて畏れたものと云われていました。
私たちは今もその感覚を保ちつづけながら、その空間に神を現出させていたのかもしれません。
春の田植えの際、予祝の祭祀として柳の枝を伐りおろし、田、池に刺し根が生えるかどうかでその年の収穫を占っ
たと云われております。拠水植物である柳は、豊富な水源を象徴し枝のしだれる姿が稲穂の垂れることを連想させ
たため、神の依り木としても用いられてきました。
柳は枝を泥に挿しておくだけで容易に根づく。それは、日本にある柳すべてが雄の木であり生命力の強い植物であ
る上、さらに墓の木として定められたのならば、およそ木の中で人々に独特の感情を与え、別れの哀情を一層掻き
立てるための素材として、送る人も送られる人も同じ気持ちになり存在するだけで自ずと一株の哀愁が周囲に充満
し、形態の上でも習性の上でも、古代の人にとって信仰の象徴あるいは祭具として最も深く生活に浸みこむ木とさ
れてきました。
こうして日本の柳は一五〇〇年ほどの歳月を生き継いでいると伝えられております。
今季の縁起物の「朧月」は、旅立つ人との再開の願いが込められております。
お受けになりましたらどうぞご自宅にお飾りください。
和布刈神社、散骨、人形供養、終活、思物供養、導き

