意匠に込めた想い
在るべき姿に戻す。
この場所に受け継がれてきた、かたちから。
古くから在るものを、
これからへ。
2019年の新装で大切にしたのは、この神社の原点に立ち返ること。古い神紋や筆文字、由緒に登場するものを手がかりに、和布刈神社らしい表現を整えました。
「導き」という考え方を、目に見えるかたちへ。神紋、言葉、色、空間、授与の作法が、一つにつながっています。
円と線を重ね、花弁と雄しべのかたちを整える。
2019年の作図資料から、今の神紋へ。
八重桜の神紋
和布刈神社に古くから伝わる八重桜の紋。かつて境内や道具に用いられていた姿を見つめ直し、花弁や雄しべの線を整えました。
重なる花弁と繊細な線、朱色の神紋。受け継いだ形を大切に、授与品や案内のなかで静かに神社を示します。

土地に残る、筆のかたち。
神社の名を示す筆文字も、この場所に古くから在る形を手がかりにしています。文字の勢いや揺らぎをそのままに、和布刈神社の表情として受け継いでいます。
神紋と筆文字、それぞれがふさわしい場所で役割を果たすこと。意匠を施しすぎず、余白や素材そのものの気配を大切にしています。

蔵版目録に残る、
和布刈神社。
明治13年(1880年)の「蔵版目録」。紙の上に残る社名の筆跡も、和布刈神社のアイデンティティを考える手がかりです。
現在の社名ロゴと、古い資料に残る文字。新しいかたちをつくる前に、この場所に受け継がれてきたものを見つめ直しています。

白は、再生と始まりの色。
御守、おみくじ、縁起物、御朱印帳。授与品には、再生と始まりを表す白を基調として用いています。
願いを託すときも、新しい一歩を踏み出すときも。色やかたちの奥にある祈りを、暮らしのなかへお持ち帰りいただきたいと考えています。
すべての授与品を見る由緒のなかに、かたちがある。
和布
旧暦元日、海に入ってわかめを刈り採る和布刈神事。自然の恵みに感謝する、神社の名にもつながるモチーフです。
満珠・干珠
潮の満ち引きと「導き」を伝える二つの珠。神社に伝わる物語を、御守や意匠のなかへとつないでいます。

影と光。
祈りが伝わる空間。
授与所は「影と光」をテーマに、陰影のある静かな空間として整えられました。
中央の「受け岩」に御守を重ね、神職が鈴を振る。建築や意匠、そして授与の所作を通して、御魂をお分けする営みを伝えています。
写真で境内を巡るともに、かたちにした人々
- グラフィック・VI
- 岡本 健・山中 港
岡本健デザイン事務所 - 授与所デザイン
- 佛願 忠洋
ABOUT - コンサルティング
- 中川政七商店
2019年の新装に関するクレジット